安全性が問われるトリクロサン、そのシャンプーは大丈夫でしょうか?

kame38 (亀井貴史)

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綺麗好きな日本人にとって毎日のシャンプーは不可欠なもの。そういう私たちの生活では”殺菌や抗菌”することが、もはや当然のことなのかもしれません。そこに疑問を感じる私が、以前から気になっていたのは「薬用石鹸」の安全性。その抗菌・殺菌作用を持つトリクロサンについて、最近では大きなニュースになっていることを知りました。多くの人が使うシャンプーに、もしトリクロサンが入っていたらどうなるのか?それを考えてみます。

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●”抗菌好き”な日本でもついに「薬用石鹸」の実態調査へ

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ここ数日、訪問される方が異常に多かったので調べてみると、以前に記事にした「薬用石鹸ミューズ」についてのリサーチだったことが分かりました。

薬用石鹸ミューズでの洗髪は危険 成分でわかる様々な危険性とは

先日来店されたお客様で薬用石鹸で洗髪されている方がいらっしゃいました。薬用石鹸といえば様々なものがありますが、そのお客様がいうのは薬用石鹸ミューズです。ミューズといえば誰もが知っている薬用石鹸ですが、殺菌効果の強いことで人気の石鹸です。ずっとミューズで洗髪しているらしく、頭皮の状態もみる限り良好のようですが、石鹸成分でみると洗髪に使うのは危険ではないか と思いました。その詳細を述べてみます。...

なぜ急に「薬用石鹸ミューズ」が注目されたのかというと、ぞれは今週始めのヤフーニュースで取り上げられた内容を知るとよく分かります。その内容は 抗菌効果をうたう石鹸が健康に悪影響を及ぼすリスクがある というものですが、これについては上の記事の中で述べているとおり個人的にも注目せざるを得ない感じです。

そこでいま大きな問題とされているのが、抗菌・殺菌作用を持つ「トリクロサン」と「トリクロカルバン」の危険性。この化学物質が私たちの健康、さらに地球環境にも良くないとして欧州では昨年から衛生用品としてのトリクロサン使用が禁止になっています。

そして最近、欧州に引き続きアメリカでもトリクロサン等を含む薬用石鹸とされるものが販売禁止になりました。私たちが住む日本ではどう対応するのか?と気になりましたが、昨日になって厚生労働省が国内で流通している「薬用せっけん」の実態調査に乗り出すと発表していました。私を含めて多くの人がおそらくミューズ等を使わないというかもしれません。もともとが”抗菌好き”な日本です。米国では55億ドル(約6000億円)規模のトイレタリー市場とされているなかで、日本では今後どのように対応していくのか注目をしています。



●薬用石鹸が米国で販売禁止になった背景

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現在、日本では殺菌・抗菌作用を謳って添加されている商品がいくつかあります。例えば「薬用石鹸ミューズ」。問題とされるのはそこに含む”トリクロカルバン”で、これはトリクロサンと構造が非常に似ているらしく、環境ホルモン作用が指摘されています。

ただ、そういった石鹸の使用が指摘されるようになったのは、ここ数年のことです。アメリカではトリクロサンを含む石鹸を40年以上前から市販されてきたわけで、安全性についても特に問題はないとされてきました。しかし、一部の科学者や環境団体の見解では、健康や環境に良くないとして使用の制限や禁止を訴えていたそうです。

そこで、米食品医薬品局(FDA)は昨年末に、メーカーに対して安全性を実証するデータの提示を求めていて、その結果で判断を下すことになっていたらしいです。この結果が今回の殺菌・抗菌石鹸の販売禁止となったというわけですね。アメリカの薬用石けん市場が完全消滅するかもしれない事態。まさに今がそうなのかもしれません。


●怖いのは髪にも悪影響があるというところ

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最近の研究でわかったトリクロサンとトリクロカルバンの危険性は、さまざまなところに及ぶといいます。今回特に問題とされているのは以下のところです。

ホルモンの働きを妨げ、甲状腺や生殖成長・発達機能などに影響を及ぼす。これはあくまでも可能性に過ぎないのですが、抜け毛や育毛や発毛など髪への悪影響が心配されます。ここは個人的に特に気になるところなのでちょっと心配です。そして子供の場合はアレルギーになるリスクが増加する可能性。またその他の研究報告では、抗菌石鹸を使い続けると抗生物質が効かない”抗生物質耐性菌”が生まれるとの指摘もありました。

そして環境問題として、大量のトリクロサンとトリクロカルバンを環境中に排出しているため、環境への悪影響が懸念されているそうです。細かいところをいうと、まだ他にもあるのですが、おそらく今後もそれがより明らかになっていくのではないでしょうか。



●どんな製品に配合されているのか調べてみた

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P&GやJ&J、AVONなど海外大手トイレタリー企業といわれるところは、既にトリクロサンの使用を中止しています。それに対して日本の国内企業はどんな認識にあるのかが気になります。その目安として、トリクロサンとトリクロカルバンが配合されているシャンプーや石鹸、その他の生活品などを調べてみたので記載しておきたいと思います。

・ルシード薬用スカルプデオシャンプー

・薬用石鹸ミューズ(トリクロカルバン配合)
・ナイーブ 薬用ハンドソープ(トリクロサン)
・コラージュフルフル石鹸(トリクロサン)

・薬用ピュオーラハミガキ(トリクロサン)
・ディープクリーン薬用ハミガキ(トリクロサン)
・GUM(ガム) 薬用 デンタルリンス

このうち、シャンプーについてはトリクロサンとトリクロカルバン配合のものはほとんど見当たりませんでした。やはり頭皮の常在菌まで殺菌するのは良くないことなので、そうなるのかもしれません。

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ちなみに、このルシードシャンプーを試したことがありますが、確かに刺激があって殺菌力を感じました。ですが、もっとも問題だと思うのはシャンプーではなく石鹸の方 だと考えています。

記載しているハンドソープでは髪を洗わないと思いますが、殺菌や抗菌をうたった石鹸によくトリクロサンやトリクロカルバン配合が入っていたりするようです。そういった石鹸で石鹸シャンプーすることだけは避けてほしいと思います。



●トリクロサンやトリクロカルバンの有無を調べる

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以前に牛乳石鹸の”緑箱”について記事にしましたが、今はそれが抗菌石鹸の 「メディッシュ石鹸」 となっていて、カウブランドでもトリクロサンやトリクロカルバンを配合しているので少し驚かされます。

トリクロサンやトリクロカルバンは経口・皮膚を経由して簡単に体内に浸透する性質を持っているといいます。そういうもので石鹸シャンプーなどしてしまうと、前述のような髪や頭皮への影響は計り知れません。

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こういった危険性が考えられる製品への対応は日本ではこれからになります。いま私たちができることは、使う製品の成分をちゃんとチェックできるかどうかです。

トリクロサンやトリクロカルバンの有無を調べるときは 「商品名、トリクロサン」または「商品名、トリクロカルバン」 を検索して、検索結果に出ないことを確認して購入するのが良いと思います。まさかこんな商品に入っているとは思わなかった、というようなものもあるので注意はしておきたいものです。

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Posted bykame38 (亀井貴史)